モネが愛したジヴェルニーの風景、忘れられない故郷をモチーフとしたシャガールの幻想的な作品、第2次世界大戦末期に占領下のパリでピカソが描いた静物画…。絵画が誕生した場所は、画家の強い思い入れや、制作された当時の時代背景と深く結びついています。このコーナーでは、描かれた場所と画家とのエピソードを交えて、当館の西洋絵画・日本近代洋画をご紹介します。
常設展示室 1F 2008 MOMASコレクション 第3期
2008.10.23 [木] - 2009.1.18 [日]
絵画の生まれる場所-モネからピカソまで
くつろぐ庭園
光、風、緑、花…など、庭園で眼にするもの、感じられるものをモチーフとした作品を日本近現代の絵画・版画から集めました。展示室では、ロッキング・チェアなど数種のイスに座りなが ら、くつろいだ気分でご鑑賞いただけるよう空間を構成しています。植物や木漏れ日など、私たちが「庭」という言葉から連想するイメージに加えて、晴れた日の真昼に見る白昼夢のような感覚もお楽しみください。
花・鳥・風・月-日本画の名作を中心に
当館所蔵の代表的な日本画を前期・後期に分けてご紹介します。前期(10月23日[木]-12月7日 [日])では、狩野芳崖、橋本雅邦、横山大観、菱田春草 らの作品を展示。近代日本画の革新を目指した東京美術学校の系譜をご覧いただけます。
後期(12月9日[火]-1月18日[日])では、今村紫紅《龍虎》、奥原晴湖《仙境群鶴》など、動物を描いたお正月らしい作品を展示します。
ミューズ・フォーラム -ワークショップ・コレクション
埼玉県内の公立美術館およびアート・ギャラリーで取り組まれているワークショップを、実践 も交えて紹介するコーナーです。
常設展示室では、パネル・映像・成果物によって各館のプログラムを紹介するとともに、万華鏡スコープなどのツールを使って、通常とは異なるユニークな方法で作品をご覧いただけます。
併せて、1階ギャラリーまわりには「森」をテーマにしたワークショップの成果物と上村次敏の作品を展示します。上から見ても下から見ても同じに見えるだまし絵のような上村の作品を、鏡を使ったツールによって、天地が逆さになるような浮遊感を楽しみながらご鑑賞いただけます。
(企画協力:うらわ美術館、川口市立アートギャラリー・アトリア、川越市立美術館)
会期
2008.10.23 [木] - 2009.1.18 [日]
休館日
月曜日(11/3、11/24、1/12は開館) 、11/11(火)、1/13(火) 年末年始の休館:12/26(金)~1/5(月)
開館時間
10:00~17:30 (入場は17:00まで)
観覧料
一般200円(120円)、大高生100円(60円)
※( )内は20名以上の団体料金。
※中学生以下と65歳以上、障害者手帳をお持ちの方(付き添い1名を含む)はいずれも無料です。展覧会入場時に確認いたしますので
・65歳以上の方は、年齢を確認できるもの(運転免許証、健康保険証等)をご持参ください。
・障害者手帳をお持ちの方は、手帳をご持参ください。
※企画展観覧券をお持ちの方は、あわせてMOMASコレクションもご覧になれます。
11/1(土)「彩の国教育週間」および11/14(金)「県民の日」は無料です。
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展示の様子:くつろぐ庭園
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森田恒友《午睡する看護婦》1907年
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牧野虎雄《晩き夏》1927年
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橋本雅邦《長江晴楼図》1895年頃(※前期10/23~12/7)
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今村紫紅《龍虎》1913年(※後期12/9~1/18)
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1階ギャラリーまわりの様子
埼玉県立近代美術館では、2008年度より「常設展」という呼称を「MOMASコレクション」に改めました。当館の常設展では2002年度以降、外部からの借用作品や現存作家のご協力によって、所蔵作品を核としつつも従来の常設展のイメージに捉われない、企画性の高いプログラムを実施してきました。名称変更はこうした意欲的な姿勢を示そうとするものであり、これまで以上に充実した展示の実現を目指しています。
※MOMAS(モマス)は埼玉県立近代美術館(The Museum of Modern Art, Saitama)の略称です。